【駄菓子屋】トンボが鼻先をかすめた時の記憶

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トンボが目の前を飛び去った瞬間、少年の頃の思い出がぽつりと湧き上がった。




まだ、コンビニが身近な存在でなかった頃、子供達がお菓子を購入できる場所は駄菓子屋が中心であった。
50円玉を握り締めて、緑の短パンを履いた少年は駄菓子屋に駆けつける。
駄菓子屋の扉をガラガラと勢い良く開けると、おばあちゃんがいつもと変わらぬ笑顔で、くすんだ金歯を光らせながら「いらっしゃい」と言う。

色とりどりに並べられたお菓子の数々は、少年の心を躍らせ、悩ませる。

少年は散々悩んだ挙句、30円のアイスと10円の黄粉棒を2本買うのだった。
おばあちゃんがおまけしてくれた1本の黄粉棒を口に加えながら、暑い日差しの中、少年は石を蹴り蹴り帰宅する。
青空にはトンボが二匹舞っており、少年の鼻先間近に飛んできてはからかう様に飛び去っていったのだった。



b0054283_1555116.jpgあれから20数年。
時代は流れ、町並みは変わり、駄菓子屋のおばあちゃんの住む世界も変わった。
看板も旗も何もなく、おばあちゃんの笑顔もそこにはないけれど、しっかりと思い出せる当時の記憶。



無くなって欲しくない世界は、まだ確かに、自分の心の中に存在し続けている。


 デザイン&アートブログランキング (゜д゜)」黄粉棒でむせ返る
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by liner-s | 2005-08-17 15:51 | 管理人独走記事